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時間が足りない原因は、能力ではなく脳のクセだった
1年100読書、62冊目は堀田秀吾著『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された 時間をムダにしない人の習慣』。『科学的に正しいお金が貯まる習慣』『疲れ切った人の勉強法』に続く、堀田秀吾氏の3冊目になる。
本書の主張は一貫している。時間が足りないのは仕事量や能力の問題ではなく、脳の認知バイアスと習慣の問題だ。全5章52項目のうち、特に印象に残った部分を記録する。
▼『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された 時間をムダにしない人の習慣』(堀田秀吾・著)
40歳で人生の約86%がすでに経過している
第1章は、年齢を重ねるほど時間が足りなく感じる理由から始まる。ジャネーの法則では、体感する時間の長さは年齢の逆数に比例する。本書によれば、40歳で体感的に約86%、50歳で約91%、60歳で約95%がすでに経過している。
40代の自分は、体感ではすでに86%以上を使い切っていることになる。最近の老後への焦りの一因は、この感覚にあると納得した。
時間を短く感じる原因はルーティン化だ。新しい記憶が減ると、時間は短く感じられる。仕事というルーティンに、飲酒などの習慣が重なると、時間の密度が薄いまま1年が一瞬で過ぎる。対策として挙げられているのは、今に集中することと、新しい刺激を増やすことだ。サボり気味のジャーナリングも、新しい発見という刺激になり得る。
時間を奪う3つの正体:マルチタスク・スマホ・簡単な仕事
本書が最大の時間泥棒として挙げるのがマルチタスクだ。
- 生産性が40%低下する
- 仕事を終えるまでの時間が50%増加する
- ミスの発生が50%増加する
- 人間の脳が同時に進められるタスクは2つが限界
スマホも同じ構造にある。ほんの数秒作業を妨げられるだけで、生産性は半分以下になる。対策は、スマホをワークスペースから遠ざけること、通知を見る時間を決めること、集中のための時間を確保することの3つだ。
もう一つ見落としやすいのが、簡単な仕事から先に片づけてしまう脳のクセだ。脳は期限が早いものや簡単なものを優先する。重要な仕事を先にやるために、時間管理マトリクス(重要度×緊急度の4領域)で優先順位を可視化する方法が紹介されている。
先延ばしは意志の弱さではなく自己調整の失敗
第2章の主題は先延ばしだ。本書は、先延ばしを意志の弱さではなく、感情と行動のズレによる自己調整の失敗と位置づける。ネガティブな感情から逃れるために、今すぐラクになれる行動を選んでしまう。
試験前に急に部屋の掃除を始めるのも、この自己調整の失敗にあたる。やるべきことの不安から逃げるために、別の行動で気持ちをラクにしている。
具体的な対策は次の通り。
- 最初の5分だけやってみる
- やる気ではなく予定で動く
- タスクを細分化し、達成を可視化する
- 完璧じゃなくていいと口にする
- 不安を抱えたまま動く
なかでも数字が明確なのがイフ・ゼン・プランニングだ。「月水金に運動する」とだけ決めたグループと、「もし月水金の朝になったら、出勤前に30分走る」と条件まで決めたグループでは、後者の継続率が39%から91%に跳ね上がった。
仕事と勉強の効率を上げる習慣
第3章は、すぐに試せる習慣が並ぶ。
| 習慣 | 内容 |
|---|---|
| 教えるつもりで学ぶ | 後で誰かに教える前提で学ぶグループは、何も前提としないグループより成績が有意に高かった |
| あえてキリの悪いところで終わる | 中断したグループは、すべて終えたグループより約2倍多く課題を思い出せた |
| 25分集中して5分休む | ポモドーロ。集中力が落ちるのは疲れるからではなく飽きるから |
| 26分だけ眠る | 26分の仮眠が作業成績を34%向上させる |
| 勉強の前に10分散歩する | 脳に酸素とドーパミンが行きわたり、活性化する |
「キリの悪いところで終わらせる」は再開時の集中力を取り戻しやすくなる一方、どこまでやったかを忘れやすいという弱点もある。中断した位置を記録しておく管理が必要になる。
デキる人の思考を真似るという項目もある。徹底的にパクることは一流の成長法とされる。読書は他人の思考を真似るための手段として有用で、投資で成功した人の本にも、真似られる部分はそれなりにある。
考えすぎを減らす:不安は紙に書き出す
第4章では、不安に思うことの79%は実際には起こらないとされる。不安を5分で紙に書き出し、自分で変えられることと変えられないことに仕分けし、変えられないことは手放す。
ネガティブな情報を追わないという項目も、すでに実践していた。追わなくなってから、テレビやラジオをあまり見聞きしなくなった。
一方で、老後(将来)への不安が先行し、今の防衛資金づくりが後回しになっている面がある。「不安を書き出す」を実行する対象は、まさにここにある。
感想:自分の役割を決めて動く
役割は人をその気にさせる、という項目が刺さった。40歳を過ぎて、かっこいい大人になりたいという役割を演じようとしている面がある。自分の人生である以上、主役を演じて動くという考え方は筋が通っている。
運を味方につける項目では、パワーストーンも運や効果を刷り込む手段として有効に思える。暗記前の散歩は難しくても、筋トレで体を動かすのは取り入れやすい。
部屋を片づけて空間を広げれば、時間の流れがゆるやかに感じられるという項目もある。楽しい時間が一瞬で過ぎ、つまらない時間が長く感じられる現象は、本書の時間感覚とはまた別の軸の話になる。
📝 読書記録はnoteでも継続的に公開しています。 → https://note.com/ndoh1982
⚠️ 免責事項 本記事は筆者個人の読書記録・感想です。書籍内の研究結果や数値の詳細は、書籍をご確認ください。










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